情報学専攻

情報学情報学は、人間の知性や感性の源泉であり、自然および人工システムにおいて中心的な役割を果たしている「情報」を基礎科学として探究する学問です。本専攻は、このような新しい基礎科学を体系的に教育研究し、理学、工学のみならず、人文系の科学を含めた諸科学を、情報学という視点からサポートすることによって、広く情報社会に寄与できる高度の専門知識と技能を備えた研究者・技術者を養成することを目的としています。

この目的のために、本専攻に数理情報講座、知能科学講座、計算科学講座の三つの大講座を置いています。数理情報講座は、情報学分野の中で、特に情報に関わる数理モデルの構築と解析の教育研究を担当するものであり、知能科学講座は、人間の知能情報処理の本質を探求することを目標に、認知科学及び情報科学の基礎理論とその知的システムへの応用について教育研究するものです。また、計算科学講座(情報基盤研究開発センターからの協力)は、シミュレーション分野を横断する計算科学の基礎について教育研究するものです。

これによって、従来の情報科学を基盤とし、人文系の科学をも包含した、情報に関する新しい総合学問分野である情報学の新しい視点と方法論を開拓し、情報学の独創的な発展の基礎を築くことを目指します。

数理情報講座

数理情報講座は、情報学分野の中で、特に情報に関わる数理モデルの構築と解析の教育を担当します。すなわち、科学技術分野に現れる種々の現象を情報学の視点から捉え、情報モデルを数理的手法を駆使して構築し、その解析を行うことで、科学技術分野への情報システムの適用を促進し、科学技術分野の発展に資することができる学生の教育を目的としています。

具体的には、代数、幾何、確率といった基礎学力を重視しつつ、一方では、数理情報モデルの構築と解析に必要となるカオス論、情報理論、計算論、アルゴリズム、数値解析、暗号論、分散システムなどについて教育します。これによって、科学技術の深化と発展の中で常に第一線で活躍し続ける技術者および研究者が必然的に持たなければならない能力、すなわち、問題を発見し、定式化(モデル化)し、解決する能力を育成します。

キーワード: 情報回路論/情報論(力学系/カオス論、回路/ネットワーク理論、信号処理, 情報/符号理論、情報幾何学、確率的手法の応用と解析)学習論/発見論(情報論的学習理論、計算論的学習理論、ニューラルネットワーク、データマイニング、WEBマイニング、バイオインフォマティクス)計算論/アルゴリズム論(形式システム/計算理論,並列/分散計算論、最適化理論、アルゴリズムとデータ構造、セキュリティ理論とネットワーク応用、数値解析)

知能科学講座

本講座では、人間の知性や行動を科学的に追究すると共に、人間の知的活動を支援するための情報科学の基礎技術を確立し、その応用展開を図ることを目的としています。

具体的には、認知科学の立場から人間にとって優しい環境を構築することを目指して、ヒトの感覚・認知・行動の特性の解明とそこから得られた知見の応用に関する教育研究を行います。また、人間の知的活動を情報科学的に支援することを目指して、機械発見の基礎理論や計算理論をベースに、データ/Web/テキスト・マイニング、情報可視化、自動認識技術、オンライン意思決定、機械学習、知識表現の複雑さ、マルチメディアコンテンツの編集・生成・検索、等の教育研究を行います。さらに、知的システムの構築のための基盤技術として、問題解決と推論、人工知能、知識処理、並列・分散・協調処理、マルチエージェントシステム、(分散)制約充足、メカニズムデザイン、自然言語処理、語意知識抽出とその応用、等に関する教育研究を行います。

キーワード: 認知科学、ヒューマンインタフェース、感覚情報処理、心理物理学、運転者支援、バーチャルリアリティ、データ/Web/テキスト・マイニング、機械学習、電子図書館、オンラインアルゴリズム、計算学習理論、計算の複雑さ、コンピュータアニメーション、画像解析、ウェーブレット、自動推論、知識処理、検証、知的Web検索、高並列計算機方式、分散制約充足、問題解決、マルチエージェントシステム、ゲーム理論、自然言語処理、英語教育・学習支援

計算科学講座

本講座では、シミュレーション分野を横断する計算科学の基礎として、モデリング、並列アルゴリズム、高精度計算の基礎技術を確立し、各応用分野における応用展開を図ることを目的としています。

具体的には、単なる高速化の追求のみにとどまらず、Multi-Scale Multi-Physics 自然現象を数理モデルに射影・抽象化する手法とそのアルゴリズム、アプリケーションの超並列化から計算結果の品質や精度までをカバーする広い意味でのハイパフォーマンスコンピューティングについて教育研究を行います。分子科学、高精度固有値解析をコアとするシミュレーション分野を中心に応用展開を行います。

キーワード: 広域分散並列処理,第一原理計算,分子シミュレーション,ウェブサービス,インターネット,広域情報検索,半構造化データ,自律エージェント,広域分散システム,ユビキタスシステム,GRIDコンピューティング等

在学生・修了生の声

在学生

学生写真

Q1 システム情報科学府を選んだ理由は?
私が中学・高校に在籍している間、時代はIT革命の真っただ中にありました。以前では想像もできなかった技術が次々と生み出され、その進化のスピードに驚くと同時に、これから訪れる情報化社会に大きな可能性を感じました。そのような理由から大学では電気情報工学科を選択しました。大学院では情報学分野に関するより専門的な知識を得るために、この専攻を選びました。

Q2 どんな研究をしていますか?
大学院では計算機科学を扱う研究室に所属し、大規模データを処理する際のアルゴリズムを研究しています。ハードディスク・フラッシュメモリ等のハードウェアの高性能化、ネットワークの大規模化に伴い、私たちが扱うデータの量は日々増大しています。そのデータから有益な情報を得るための理論やアルゴリズムの検証・構築が今の研究テーマです。将来的には、より便利かつ高度な情報化社会の実現に活かすことが出来ればと考えています。

Q3 学生生活の中で印象に残ったことは?
大学での研究以外に学習塾のアルバイトや学外でのバンド活動を行っています。価値観の異なる学外の人々との交流はとても良い刺激になります。講義の空き時間を利用して大学の友達とバスケやソフトボールをすることも多いです。研究が中心の生活ではありますが、楽しみも多くとても充実しています。

Q4 今後、システム情報科学府を目指す人へのメッセージを。
電気電子・情報通信の分野は今後ますます重要になることが予想されます。自分がやりたいことを見極め、大学院で将来に向けて有意義な時間を過ごしてください。
 

Q1 システム情報科学府を選んだ理由は?
私は将来ゲーム関係の仕事に就きたいと考えています。私の所属する研究室では3次元グラフィックスなどのゲームに関連するテーマを扱っており、ゲーム開発の実績もあります。この研究室の先生方・先輩方のもとで更なる知識・技術を得、将来につながる経験を積みたいと考えたため、システム情報科学府に進学することを選択しました。

Q2 どんな研究をしていますか?
拡張現実(AR)という技術をスマートフォンなどの携帯端末で実現する研究をしています。携帯端末はPCに比べて性能が低いため、カメラの映像だけでなく加速度センサやGPSなどを併用することで計算を高速化する必要があります。カメラに映った映像を解析してそこに新しい情報を付加することで、映像ベースの道案内システムを構築したり、エンターテイメント分野へ応用することができます。

Q3 学生生活の中で印象に残ったことは?
私の所属する研究室には、有志のメンバーでソフトウェアを開発する「Jolly9」という団体があり、私もその一員としてゲームの開発などに携わっています。はじめは右も左も分からない状態でしたが、先輩方が丁寧に教えてくださり、少しずつではありますが技術が身に付いてきました。納期に追われるなど忙しく大変なこともありますが、将来につながる貴重な経験であり、とても楽しく活動しています。

Q4 今後、システム情報科学府を目指す人へのメッセージを。
大学院では、勉強や研究以外にも学べることがたくさんあります。知識・技術・経験・人脈など、様々なものを得る機会があります。勉学に励むことはもちろんですが、それ以外にも広い視野を持ち、目の前のチャンスに果敢に飛び込み、自分自身を成長させる活動をしてほしいと思います。

修了生

卒業生写真

Q1 九州大学大学院で学んだことは?
システム情報科学府では、情報科学に関する専門的な知識はもちろんですが、それまでの受身的な勉強ではなく、能動的な研究に対する方法や姿勢、考えについて学ぶことができました。自分の興味があることに対して、より深い知識を身につけ、理論的な思考を研ぎ澄まし、実用的な技術を習得する。そこから導かれた最先端の成果を、研究者だけではなく、大学生、高校生、さらには中学生や小学生にでもわかりやすく伝える能力や技術を学んできました。1つのことを深く、深く掘り下げて追究したという実績と経験は、今後社会に出て全く別の分野で働く時でも必ず役に立つ、貴重な道標になると思います。

Q2 現在、どんな仕事をされていますか?
現在、東北大学で助教として、研究や教育に従事しています。授業や研究室の運営、学生への指導など、学生の時には考えもしなかった、研究とは関係のない仕事がたくさんありました。しかし、そこでは学生時代のティーチングアシスタントや研究室での活動、後輩への指導など全ての経験をそのまま活かすことができ、非常に役に立っています。

Q3 学生時代の印象に残るエピソードを教えてください。
修士の時、先生から研究を活かして起業しないか?と言われ、会社を立ち上げる手伝いをしました。まったくわからない状態からスタートし、特許の取得、ビジネスプランの作成、マーケット調査、会社運営などおよそ学術的な研究とは程遠い勉強をし、ビジネスプランコンテストに出場し優勝するに至りました。その時の経験、出会った人達は、人生の大きな財産の一つです。

Q4 今後、システム情報科学府を目指す人へのメッセージを。
システム情報科学府は、本当に素晴らしいところです。世界トップレベルの先生たち、優れた研究施設、優秀な先輩たち、すべての環境が皆さんの知的好奇心を満たし、これからの社会に必要とされる高いスキルや考えを習得できるでしょう。

カリキュラム

授業科目一覧






確率・統計特論
線形代数応用特論
先端情報社会学特論
ICT社会基盤デザイン特論
システム情報科学実習







情報学演習
情報学講究
情報学読解
情報学演示
情報学論述Ⅰ
情報学論述Ⅱ
情報学論議Ⅰ
情報学論議Ⅱ
情報学特別研究



【計算機】
計算論
グラフ理論・組み合わせ論
アルゴリズムとデータ構造
【通信】
ネットワーク工学
情報理論
暗号と情報セキュリティ
【人工知能】
認知科学
記号論理
データマイニング特論
ゲーム理論






高度データ構造
情報普及学特論
ヒューマン・インタフェース
統計的自然言語処理
文字列データマイニング
3次元コンピュータグラフィックス論
計算機シミュレーション特論
情報数値解析
プログラミング言語特論
高性能並列計算法特論
機械学習特論



電気電子工学分野
情報知能工学分野
数理学分野
システム生命科学分野
サイバーセキュリティ分野
(各分野の科目については各分野拡充科目リスト参照)













計算論
グラフ理論・組み合わせ論
アルゴリズムとデータ構造
情報理論
暗号と情報セキュリティ
認知科学
記号論理
データマイニング特論
ゲーム理論
情報学特別講義
情報知能工学特別講義
電気電子工学特別講義







プログラム設計論特論
コンピュータシステム・アーキテクチャ特論
システムソフトウェア特論
情報ネットワーク特論
暗号と情報セキュリティ特論
デジタル通信基礎論
パターン認識特論
情報学特別講義
情報知能工学特別講義
電気電子工学特別講義







コンピュータシステム・アーキテクチャ特論
システムソフトウェア特論
IoTシステム特論
知能ロボティクス特論
ロバスト制御系設計特論
計測工学特論
電子回路工学特論
情報学特別講義
情報知能工学特別講義
電気電子工学特別講義







コンピュータシステム・アーキテクチャ特論
システムソフトウェア特論
システムLSI設計支援特論
IoTシステム特論
デジタル通信基礎論
半導体デバイス基礎特論
集積回路設計基礎特論
高周波デバイス工学特論
情報学特別講義
情報知能工学特別講義
電気電子工学特別講義







電子回路工学特論
計測工学特論
ロバスト制御系設計特論
電子材料基礎特論
半導体デバイス基礎特論
半導体デバイス基礎特論演習
集積回路設計基礎特論
集積回路設計基礎特論演習
回路解析・設計演習
情報学特別講義
情報知能工学特別講義
電気電子工学特別講義




数理モデル概論
最適化理論基礎・演習
数理科学Ⅰ
数理科学Ⅱ
計算数理学Ⅰ
計算数理学Ⅱ
数論大意
組合せ論大意
微分幾何学大意
確率論大意
統計数理学大意









生命情報科学Ⅰ
生命情報科学Ⅱ
生命情報電子計測特論
生命情報統計学特論
生命情報データ処理特論
生命情報システム特論
生命情報学習特論
生命情報数理モデル特論
生命機能制御情報特論
認知神経科学特論
脳情報科学特論Ⅰ
脳情報科学特論Ⅱ












イノベーション・マネジメント
Advanced Lecture in Technology Marketing Game (English)
ビジネスにおける競争優位性(特論)
アイデア・ラボⅡ
アントレプレナーシップ・組織論応用
アントレプレナーシップ・戦略論基礎
デザイン思考
ニュービジネス・クリエーション








デバイス基礎
分子システム基礎
デバイス科学
デバイス応用学(Ⅰ)
デバイス応用学(Ⅱ)
分子システム学
分子システム応用学(Ⅰ)
分子システム応用学(Ⅱ)











暗号と情報セキュリティ
情報理論
ネットワーク工学
データマイニング特論
プログラム設計論特論
暗号と情報セキュリティ特論
情報ネットワーク特論